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センターの6次化事例
2021年1月12日

『海だけではない、石巻の農産物のおいしさを自慢の焼き菓子を通して届けたい』


事例26


cafe蓮
齋藤 ゆかり さん
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齋藤 ゆかり さん
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cafe蓮さんが6次化センターを利用し作成したギフトBOX

 

『海だけではない、石巻の農産物のおいしさを自慢の焼き菓子を通して届けたい』

事業者:cafe蓮 齋藤 ゆかり さん(石巻市)

主な販売先:自店舗、イベント等

6次産業化への取組:石巻産農産物を使った焼き菓子およびそのギフト商品開発、ギフトBOX、リーフレットの作成

取組後の成果:石巻の農産物のおいしさを広くPRすることに繋がった。

※石巻市6次産業化・地産地消推進センターを、以下より「6次化センター」と表記いたします。

 


6次化センターへのご相談のきっかけ


『常連客の6次化センターの方へ何気なく相談』

 当店のお客様として以前からご来店いただいていた6次化センターの方に、何気なく助成金について相談したことが6次化センターへの最初の相談でした。当時は、ベーカリー部門を立ち上げ、お店を改装する計画を実行しようとしていた段階で、これにおける資金面について相談しました。

 ベーカリー部門が落ち着いたその後、次の展開として地元石巻の素材を使った焼き菓子の開発に取りかかりました。特に、この焼き菓子のギフト化を進めるにあたっては、改めて6次化センターに相談し、支援員の方にはギフトBOXデザイン制作などをサポートしていただきました。

 これ以来、私たちの計画を進めるにあたり、6次化センターには気軽に相談させてもらっています。

 


齋藤さんと6次化センターの取り組み内容


『販促ツールづくり、新商品開発』

 始めにご相談させていただいた助成金については、6次化センターの方に細かくお話を伺うと、6次化関連の助成金申請にあたり、私たちは条件面で対象外であることがわかりました。残念ではありましたが、6次化センターの方からは、すぐに別の資金調達方法をご提案いただいた上で、私たちにより適した相談窓口を開設しておられる石巻産業創造株式会社I-Bizさん(6次化センターと連携)をご紹介いただき、その後はこちらの相談窓口にて相談をさせていただきました。このご紹介があり、無事資金面に関してはクリアできました。

 これにより無事立ち上げることができたベーカリー部門ですが、パンは基本自店舗販売。店舗だけでなく、イベントなどでも販売できる商品も充実させたいと考え、日持ちする「焼き菓子」のブラッシュアップを図ることにしました。この取り組みの中で6次化センターに特にお世話になったのは、先にも述べた焼き菓子のギフトBOXデザイン制作と、BOXの中に入れることができるリーフレットの作成です。

 石巻の手土産というと、やはり海産物のイメージが先行してしまいます。しかし私は実家が農家ということもあり、石巻にはおいしい農産物もたくさんあるということを広く知ってほしかったのです。そこで、石巻産の農産物を使った焼き菓子、そしてそれを気取らず持って行くことができるギフトに仕上げたいと考えました。

 この考えを実現すべく、6次化センターの支援員の方には、どんな箱がいいか助言をいただいたり、当店スタッフが描いたイラストをうまくBOXデザインの中にまとめてもらったりしました。また、リーフレットという小さなスペースに効果的に私たち作り手の想いや必要な情報を載せるためのアドバイスもいただきました。
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cafe蓮さんのベーカリー商品

 また、6次化センターの支援員の方から、他の事業者さんと連携した商品開発の提案をいただき「金華 SABA SAND」という商品の開発にも取り組みました。

 こちらは、水産加工品を製造・販売していらっしゃる株式会社カネシンさん(事例13に記事あり)の「金華さばのレモンペッパー漬」、JAいしのまきさんの大豆“ミヤギシロメ”を使った「ソイマヨネーズ」や石巻産の「トマト」、「仕込み味噌」、そして当店が作る「味噌パン」のコラボ商品です。他の事業者さんとの連携は初めての経験でしたが、支援員の方に意見の取りまとめをしていただきながら、それぞれ特徴のある商品を1つに集約することができました。現在、この「金華さばサンド」はイベントなどを中心に販売しています。

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市内3事業者連携で開発した「金華 SABA SAND」

 


6次産業化に取り組んだ成果


『石巻の農産物のおいしさと自店を広くPR』

 焼き菓子については、石巻市のふるさと納税の返礼品として参加させていただくことができました。石巻市を応援してくださる方に、当店の焼き菓子を通して石巻の農産物のおいしさをお届けできていると嬉しいです。また、今回はふるさと納税参加という形で全国の方に当店の商品をお届けしましたが、今後はこの経験を活かし、独自で全国に向けた情報と商品の発信を展開していきたいです。

 またリーフレットは、販促ツールとしてイベントなどで商品と共に陳列し、配布しています。イベントでは、足を止めてくださるお客様に当店を知ってもらうきっかけとなり、またお店や商品の紹介をする際にこのリーフレットを使うことで説明しやすくなりました。

 ギフトBOXは、おしゃれな見た目だとお客様から嬉しい声をいただいています。価格も1箱あたり2,000~3,000円に設定したので、手に取っていただきやすいギフトとしてご好評いただいております。

 


6次産業化への取り組みで苦労する点


『焼き菓子ブラッシュアップにおけるフルーツのドライ加工と、情報を文章にまとめる作業』

 石巻産素材の焼き菓子の開発においては、JAさんにもご協力いただき、石巻産のイチゴやいちじくのドライフルーツ加工を行いました。水分量や形状について何パターンも検討しながらの作業となったため、フルーツの収穫から、加工、そして商品として完成させるまでおよそ1年半の時間を要しました。初めての試みで、かなり試行錯誤しました。

 リーフレット作成に関しては、自分の想いを端的に表現することが大変でした。これまであまりやってこなかった作業ということもあり、短い文章に情報を凝縮し、かつ想いもそこに乗せる作業は苦労しました。

 


販売商品への想い・こだわり


『石巻の田畑の恵を全国へ、同時に地域に根差したお店でありたい』

 もともとお店を作った動機は、農家として規格外の野菜が廃棄される現場を目の当たりにし、「もったいない、この野菜を使ってお料理を提供したい!」と思ったことです。以降は特に地元石巻の野菜を使い、添加物不使用の体に優しいものを提供したいという想いを重視してきました。今回手掛けた焼き菓子には、この思いを詰め込んでいます。このギフトをきっかけに海産物だけではない石巻の農産物のおいしさも広く知っていただけたら嬉しいです。

 今後は、石巻の海の味と共に、田畑の恵のおいしさ、素晴らしさを全国の方に知っていただくための新たな展開も図っていきたいと考えています。また、地元の方が他の地域から来たお客様や親戚の方を「ここのお店に行けば石巻のおいしいものを食べられるから」と自信を持って連れてきていただけるような、地域に根差したお店としても成長していきたいと思っています。

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cafe蓮さんの焼き菓子ギフト

 


6次産業化を検討している方々に伝えたいこと


『6次化センターは気軽に相談できる、共に歩んでくれる存在』

 6次化センターに相談することで、取り組みの階段を一段上るきっかけをもらえるのではないかと思います。自分がやりたいと考えていることは、1つ終わったらゴールではありません。階段を上るように、1段上がったら次の1段に足をかけ、上り続けていかなくてはなりません。これにあたり、6次化センターに相談することは、どうやったら次の1段に早く足をかけられるか、どうやったらふら付くことなく階段を上れるのかアシストしてもらうようなものだと思います。とにかく気軽に相談できる場所として、皆さんに使ってほしいです。

 やってみたいことが、自分が思っているほど遠い未来ではなく、近い未来になるかもしれません。


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cafe蓮さんの店内と外観

 

 

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